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研究
脳神経外科領域における痛みを主とした愁訴に対するレーザー針治療
著者: 渋谷誠14 藤沢和久1 片田和広1 佐野公俊1 神野哲夫1 小野ルリ子2 大城俊夫3
所属機関: 1藤田学園保健衛生大学脳神経外科 2藤田学園保健衛生大学看護部 3日本医用レーザー研究所 4東京医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.607 - P.612
文献購入ページに移動頭頸部領域の神経痛ならびに頭部外傷および脳血管障害後遺症において,痛みを主とした愁訴にて脳神経外科外来を受診する症例は数多い.このような痛みを主とした愁訴に対し,中国では数千年前より針治療が行われ,現在に至っても広く応用されているが,施行時の痛みや不快感あるいは感染の危険性が指摘されている.しかし1958年,上海市第一人民病院においての針麻酔の成功が伝えられて以来,針治療は注目され,その除痛効果は世界的にも高い評価を受けている.1975年Plog9)は低エネルギーレーザーを金属針の代わりに経穴に照射することにより良好な除痛効果を得,副作用の全くないことを報告した.レーザーの生体に対する作用はさまざまであるが,その熱による作用とは別に,光としての作用により生体高分子の活性が増すことがあり,光活性化作用と呼ばれている10).レーザー照射による除痛効果は,その熱作用および光活性化作用による局所への刺激によると考えられている.著者らは,脳神経外科領域にて,痛みを主とした愁訴310例に対し,半導体レーザーを用いて針治療を施行し良好な成績を得たので,若干の文献的検討を加えて報告する.
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