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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科13巻6号

1985年06月発行

文献概要

症例

脳室内出血にて発症した松果体部絨毛上皮腫

著者: 木田義久13 坂野公一1 神崎正紀2 小林達也3 景山直樹3

所属機関: 1愛知県厚生連加茂病院脳神経外科 2愛知県厚生連加茂病院病理 3名古屋大学脳神経外科

ページ範囲:P.641 - P.645

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I.はじめに
 松果体部には種々の腫瘍が原発するが,これらのうちgerm cell tumorの一群は,その特異な病理組織型に加え,HCG,αフェトプロテインの分泌により,臨床的にも思春期早発症などの特異な症状が発現することが知られている.頭蓋内原発絨毛上皮腫は,これらのなかでも極めて稀なものであり,特にteratoma,germinoma,embryonal carcinomaなどの,他のgerm cell tumorの成分を含まない純粋型の報告は少ない.われわれは思春期早発症にて発症し,病因検索中に大量の脳室内出血を生じながら,腫瘍が確認されず,4年後にはじめてCT上明瞭な腫瘤を確認しえた絨毛上皮腫の1例を経験した.本腫瘍は胞状奇胎などに続発する絨毛癌の脳転移例と同様に,極めて易出血性であることが知られており,その診断と治療において十分な注意が必要である.以下に文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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