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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科13巻6号

1985年06月発行

文献概要

症例

脳腫瘍と脳動脈瘤の合併—自験例3例の報告と考察

著者: 高橋敏夫1 斎藤和子1 鈴木重晴1

所属機関: 1弘前大学脳神経外科

ページ範囲:P.675 - P.679

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I.はじめに
 脳腫瘍と脳動脈瘤の合併は全脳腫瘍の0.36)−0.7%1)といわれ,稀なものとされてきたが,近年,診断技術の発達などに伴って,その頻度も増加の傾向が見られ,4%3)を占めるとの報告もあり,またなかで最も頻度の高い下垂体腫瘍に限れば6.8%2)あるいは7.4%7)という報告も見られる.このような合併例では,脳腫瘍症状で発症し,動脈瘤は未破裂のものが多いとされ,術前診断をCT scanのみに依存して血管撮影を行わなければ発見が困難であり,手術に際しての思わぬ事故や術後の未破裂動脈瘤の破裂など,治療予後を悪くする大きな要因となる.
 われわれは,脳腫瘍と脳動脈瘤の合併3症例を経験し,いずれも手術に際して充分な処置を行えたので,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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