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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科13巻7号

1985年07月発行

文献概要

核と錯覚,NMRとMRI

著者: 松岡健三1

所属機関: 1愛媛大学脳神経外科

ページ範囲:P.705 - P.705

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 "核"—と言っても細胞核ではなく原子核の方であるが,そのイメージとして,われわれ日本人にとっては,広島,長崎の原爆は真っ先に想い出されることであり,またこれは永久に忘却してはならないことでもある.日本人のいわゆる核アレルギーはつとに有名であるが,中距離ミサイルの配備について,ヨーロッパ各地で反対運動が熾烈らしい.また,最近ニュージーランドが核搭載の米国艦船の寄港を拒否したように,世界的に反核意識は高まりつつある.
 昨年11月,米国の病院数ヵ所を訪問する機会に恵まれた.NMRやPETの機種と普及度を調査するのが旅行の主目的の1つであった.Mayo Clinicを訪れた折り,ここの数少ない日本人教授の1人であるNeurologyの柳原武彦教授から「今米国ではNMR-CTと言わずにMRI(Magnetic Resonance Imaging)と呼ぶことになっている」と教えていただいた.理由は,NMRのNuclearという語が被験者に無用の恐怖心を起こさせるからとのことであった.当然のことながら,米国でも核のイメージはよくないのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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