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研究
小児Moyamoya病過呼吸時の脳波—Re-build upの発現機序
著者: 大山秀樹1 新妻博1 藤原悟1 鈴木二郎1
所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科
ページ範囲:P.727 - P.733
文献購入ページに移動Moyamoya病小児例では当初より過呼吸により著明な徐波が誘発されることが知られていた18).その後,青木・児玉・平賀ら1,7,11)は,Moyamoya病小児例で過呼吸終了後に認められる徐波は,過呼吸中に認められるbuild upより,より低周波数かつ不規則であり,build upとは明らかに異なるとし,しかもbuild upとこの徐波との間にはいったん徐波が減少ないし消失する時期があることから,この徐波をre-build upと命名した.著者らは,この二相性の変化はほとんどはMoyamoya病小児例に認められることから,本症患者の過呼吸前後におけるPaO2およびPaCO2の変化と脳波との関連を追求してみる必要があると考えた.しかし,脳波記録に必要な安静を保たせつつ,かつ経時的に動脈血中のガス分圧の測定を行うのは容易ではなく,かわりに動脈血中のガス分圧をよく反映するとされる経皮的酸素分圧(tcPO2)および二酸化炭素分圧(tcPCO2)3,4,9)を測定することにより興味ある所見を得,さらに100%O2,およびair base 8%CO2 gas吸入下の過呼吸に伴う脳波変化についても検討したので報告する.
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