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症例
頭蓋内転移により発症した嗅神経芽腫の1例
著者: 富永悌二12 藤原悟12 小田辺一紀1 佐藤壮1
所属機関: 1山形市立病院済生館脳神経外科 2東北大学脳研脳神経外科
ページ範囲:P.735 - P.740
文献購入ページに移動嗅神経芽腫は嗅粘膜上皮より発生する比較的稀な腫瘍であり,1924年Bergerらによる初めての報告3)以来,本邦における13例1,9,11,13,14,17)を含め,これまで約190例11)が報告されている.本疾患は鼻閉,鼻出血で発症することが多いため,報告例の多くは耳鼻咽喉科領域からなされてきたが,嗅神経芽腫の20%に頭蓋内浸潤がみられ,脳腫瘍の症状で発症した症例も報告されていること2,5-7,10,24)から,前頭蓋底腫瘍をみた場合,本腫瘍も念頭におかなければならない疾患の1つと思われる.最近われわれは頭蓋内転移巣による症状で発症した嗅神経芽腫の1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する.
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