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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科13巻7号

1985年07月発行

文献概要

症例

頭蓋内転移により発症した嗅神経芽腫の1例

著者: 富永悌二12 藤原悟12 小田辺一紀1 佐藤壮1

所属機関: 1山形市立病院済生館脳神経外科 2東北大学脳研脳神経外科

ページ範囲:P.735 - P.740

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I.はじめに
 嗅神経芽腫は嗅粘膜上皮より発生する比較的稀な腫瘍であり,1924年Bergerらによる初めての報告3)以来,本邦における13例1,9,11,13,14,17)を含め,これまで約190例11)が報告されている.本疾患は鼻閉,鼻出血で発症することが多いため,報告例の多くは耳鼻咽喉科領域からなされてきたが,嗅神経芽腫の20%に頭蓋内浸潤がみられ,脳腫瘍の症状で発症した症例も報告されていること2,5-7,10,24)から,前頭蓋底腫瘍をみた場合,本腫瘍も念頭におかなければならない疾患の1つと思われる.最近われわれは頭蓋内転移巣による症状で発症した嗅神経芽腫の1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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