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症例
von Hippel-Lindau病—褐色細胞腫を合併した脳血管芽腫について
著者: 大西丘倫14 森信太郎1 本崎孝彦1 永谷雅昭1 尾藤昭二2 奥謙3 早川徹4 神川喜代男5
所属機関: 1大阪府立成人病センター脳神経外科 2大阪厚生年金病院脳神経外科 3関西労災病院脳神経外科 4大阪大学脳神経外科 5明治鍼灸大学
ページ範囲:P.757 - P.764
文献購入ページに移動von Hippel-Lindau病は網膜の血管腫や小脳の血管芽腫以外に他臓器のさまざまな病変を伴う遺伝性,家族性疾患である.しかしこれら他臓器の病変は大部分が無症候性で,剖検時あるいは全身のスクリーニングにて初めて発見されることが多い.
一方,発現頻度はそれほど高くはないが,腎癌や褐色細胞腫の発現は脳の血管芽腫同様,患者の生命予後に大きな影響を及ぼす.最近,われわれは褐色細胞腫の家族発生例に網膜血管腫症や小脳,延髄の血管芽腫を合併したいわゆるvon Hippel-Lindau病と考えられる1家系8症例を経験した,そこでこのうち血管芽腫を有した5症例の臨床像を分析し,また文献上検索し得た褐色細胞腫と血管芽腫の合併例16例を加え,褐色細胞腫を伴った血管芽腫の特徴について臨床的検討を行った.
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