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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科13巻7号

1985年07月発行

文献概要

症例

中頭蓋窩内進展を伴った鼻咽頭Paragangliomaの1例

著者: 森本一良1 松本勝美1 吉峰俊樹1 最上平太郎1

所属機関: 1大阪大学脳神経外科

ページ範囲:P.805 - P.809

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I.はじめに
 15歳男子の鼻咽頭部より発生したparagangliomaが中頭蓋窩に進展し,動眼神経麻痺と頭蓋内圧亢進症状を呈した.この症例に対して中頭蓋窩腫瘍を摘出後,残存する鼻咽頭腫瘍に放射線療法を行ったところ著明な神経症状の改善が得られた.またその10ヵ月後,眼窩内転移ならびに肺転移をきたしたが,再び化学療法に著明な反応を示し,再び寛解を得た.
 paragangliomaは,一般的に頸静脈球,鼓室,頸動脈体に発生するものが多く,鼻咽頭部に発生した報告は稀で,しかも若年者の報告例は私たちの知りえる範囲内では見当たらず,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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