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症例
音刺激と同期性に誘発される顔面痙攣
著者: 山本義介12 近藤明悳1 花北順哉1 西原毅1 絹田祐司1 中谷英幸1
所属機関: 1静岡県立総合病院脳神経外科 2松阪中央総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.895 - P.901
文献購入ページに移動顔面痙攣は,痙攣が眼輪筋に始まり,頬筋,口輪筋に進展し,これが不随意的に,また精神的緊張によって誘発されることはよく知られた事実であり,また顔面痙攣発作に同期した耳鳴を伴う症例に遭遇することも稀ならず認められる.今回われわれは不随意的な顔面筋の痙攣を認めるのみならず,音刺激によっても顔面痙攣が誘発されるという稀な症状を持った患者を経験した.このような症例はわれわれが調べ得た範囲では藤岡ら2)の報告があるのみであるが,彼らの報告例は音刺激が加わらない時には痙攣が起こらず,われわれの症例とは症状が異なる.ここにわれわれが経験した興味ある症例を呈示し,音刺激で誘発される顔面痙攣の発生機序につき考察を加えて報告する.
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