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症例
神経管外転移により気管支閉塞症および上大静脈症候群を合併したMalignant ependymomaの1例—症例報告および文献的検討
著者: 若林俊彦1 吉田純1 口脇博治1 小林達也1 景山直樹1 橋詰良夫2
所属機関: 1名古屋大学脳神経外科 2名古屋大学第1病理
ページ範囲:P.59 - P.65
文献購入ページに移動従来,神経系腫瘍の神経管外転移は少ないとされてきたが,近年の診断技術の向上および積極的な手術療法による人工的侵襲の増大,さらには免疫化学療法の改善による脳腫瘍の長期生存例の出現とともに,転移症例の報告が相次いで認められてきている.脳腫瘍の好発転移部位は,腫瘍種別により異なるとされているが,一般には頭頸部リンパ節から骨,肺などへの転移が多いとされる.しかし,現在までの報告では死後剖検にて転移巣が発見されることが多く,生前に転移巣を確認できた症例は比較的稀である.さらに転移巣が直接の死因となった症例は極めて稀と考えられる.当教室では,最近,悪性神経膠腫の症例に,両側肺門リンパ節転移を併発し,上大静脈症候群および気管支閉塞症をきたして,呼吸不全にて死亡するという,転移巣が直接の死因となった極めて稀な症例を経験したので報告する.
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