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症例
水頭症に合併した水髄症の1例
著者: 金成有1 玉木紀彦1 川口哲郎1 藤田勝三1 松本悟1
所属機関: 1神戸大学脳神経外科
ページ範囲:P.75 - P.80
文献購入ページに移動syringomyeliaは,脊随に空洞形成をきたす進行性の疾患群の総称であり,以前は変性疾患の1つと考えられていたが,1958年,Gardnerがsyringomyeliaの病因としてhyd—rodynamic theoryを発表して以来,この疾患の病態の解明,さらには診断,治療の面で非常な進歩がみられるようになった.しかし,その病態についてはなお不明な点も多い.本邦では,この疾患に対する関心度が低いためか,またはsyringomyeliaをきたすArnold-Chiari I型奇形の頻度が欧米に比べ低いためか,本疾患の症例の報告は欧米に比べかなり低いものである.今回われわれは,水頭症に合併した水髄症の1例を経験したので,その病態診断,治療につき若干の文献的考察を加え報告する.
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