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研究
ラット脳腫瘍における抗癌剤耐性機構
著者: 吉田達生1 清水恵司1 生塩之敬1 早川徹1 加藤天美1 最上平太郎1 坂本幸哉2
所属機関: 1大阪大学脳神経外科 2大阪大学癌研究施設
ページ範囲:P.1299 - P.1304
文献購入ページに移動近年の脳腫瘍治療法の進歩はめざましく,なかでも化学療法による治療は好成績を収めるに至り,放射線治療との併用などにより脳腫瘍患者の一時的寛解も可能となった.しかし,一方ではこうした積極的な化学療法がもたらした延命効果の陰に,抗癌剤に対する耐性の問題が生じてきた.
癌化学療法における腫瘍細胞の抗癌剤耐性に関する研究は,さまざまの角度から進められており2,3,12,16,20),現在ではその耐性機構も一部解明されようとしている4,7,8,18,19).しかし,脳腫瘍においては,化学療法などによる一時的寛解がようやく達せられた段階であり,このような研究はほとんど進んでいないのが現状である26).そこで現在臨床において一般に使用されているニトロソウレア系抗癌剤ACNU1)に耐性の認められたC6/ACNUおよび9L/ACNU細胞26)を用いて,その耐性機構について検討を行った.
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