文献詳細
文献概要
研究
Flow cytometryおよび染色体検査による髄膜腫の分析
著者: 勝山諄亮1
所属機関: 1大阪市立大学脳神経外科
ページ範囲:P.1335 - P.1344
文献購入ページに移動I.はじめに
髄膜腫は代表的な良性脳腫瘍の1つとされているが,なかには発育が速やかであったり,転移をきたすなど臨床経過の上から良性とはいえない症例が存在することも指摘されており10,20,29,40,51,58),細胞の生物学的態度に広がりがあることが予想される.この点について.主に形態学的な方面からその態度を推測しようという努力が続けられてきているが,いまなお意見の一致をみない点もあり1,7,10,12,23,32,34,45,52,54,55,57-59),他の方法による検索の成果が期待されるにいたっている.
その1つとして,大量の細胞について個々のDNA量を短時間に知る方法として開発されたflow cytometry(以下FCM60))の.各種脳腫瘍への応用についての報告が1976年Hoshinoら21)によりなされるようになり.FCMヒストグラムが腫瘍の生物学的態度を知る方法として脳神経外科臨床領域において有用とされている.一方,FCMヒストグラムと腫瘍の悪性度の間に相関をみいだせなかったとの報告もみられる41).今回,培養前後の髄膜腫について,細胞のDNA量に密接な関係をもつ染色体分析手技を併用してFCMを用い検討した.
髄膜腫は代表的な良性脳腫瘍の1つとされているが,なかには発育が速やかであったり,転移をきたすなど臨床経過の上から良性とはいえない症例が存在することも指摘されており10,20,29,40,51,58),細胞の生物学的態度に広がりがあることが予想される.この点について.主に形態学的な方面からその態度を推測しようという努力が続けられてきているが,いまなお意見の一致をみない点もあり1,7,10,12,23,32,34,45,52,54,55,57-59),他の方法による検索の成果が期待されるにいたっている.
その1つとして,大量の細胞について個々のDNA量を短時間に知る方法として開発されたflow cytometry(以下FCM60))の.各種脳腫瘍への応用についての報告が1976年Hoshinoら21)によりなされるようになり.FCMヒストグラムが腫瘍の生物学的態度を知る方法として脳神経外科臨床領域において有用とされている.一方,FCMヒストグラムと腫瘍の悪性度の間に相関をみいだせなかったとの報告もみられる41).今回,培養前後の髄膜腫について,細胞のDNA量に密接な関係をもつ染色体分析手技を併用してFCMを用い検討した.
掲載誌情報