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症例
新生児後頭蓋窩硬膜下血腫—2自験例と文献的考察
著者: 大熊洋揮1 蕎麦田英治1 鈴木重晴1 岩渕隆1
所属機関: 1弘前大学脳神経外科
ページ範囲:P.1363 - P.1368
文献購入ページに移動分娩外傷を主因とする新生児硬膜下血腫のうち後頭蓋窩のものは比較的稀な疾患であり,剖検例の検討では全体の約13%にすぎないともいわれている5,24).本疾患は特徴的所見に乏しく診断が困難であり,また急激な経過をたどり死に至る例も多いゆえ,文献上渉猟し得た臨床例は30例のみであった.しかし,この30例のうちの16例はCT導入後のわずか7年間に報告された症例であり,CTの普及に伴い,今後,本疾患に遭遇する機会は増加していくものと思われる.
われわれも外科的治療および保存的治療をそれぞれ1例ずつに行い,いずれも良好な経過にある計2例の新生児後頭蓋窩硬膜下血腫を経験したので,文献より集計した臨床例30例とともに本疾患の臨床像について検討を加えて報告する.
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