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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻11号

1986年10月発行

文献概要

症例

脳腫瘍を合併した結節性硬化症の2例

著者: 福岡秀和1 高木卓爾1 嶋津直樹1 永井肇1

所属機関: 1名古屋市立大学脳神経外科

ページ範囲:P.1377 - P.1381

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I.はじめに
 神経皮膚症候群の1つである結節性硬化症はvonRecklinghausenによる心臓横紋筋腫を合併した"大脳皮質硬化巣"の剖検例報告18)以来,すでに多数の報告がなされている.本症は顔面皮疹(ademma seba—ceum),知能障害,てんかんを臨床症状の3徴候とする比較的稀な家族性,遺伝性疾患である.本症の脳病変は,①大脳皮質硬化巣,②髄質における皮質の異所存在,③脳室壁の結節で代表されるが,脳病変の腫瘍化に関しては,脳室壁の結節に特有とされ,その頻度は本症の6-10%といわれている12,16)
 著者らは結節性硬化症に合併した脳腫瘍の2例を経験した.1例は,脳腫瘍以外に多臓器に腫瘍性病変を合併した剖検例であり,本邦での剖検報告は数少ないと思われる,2例目は,開頭手術後,6年間経過を観察している症例である.各症例につき文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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