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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻11号

1986年10月発行

文献概要

症例

下垂体膿瘍の2治験例

著者: 上出廷治1 大坊雅彦1 大滝雅文1 森本繁文1 田辺純嘉1 端和夫1

所属機関: 1札幌医科大学神経外科

ページ範囲:P.1383 - P.1388

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I.はじめに
 下垂体機能低下症状を呈し,CT上,下垂体内にlowdense massを形成するものとしては下垂体腺腫の他,鞍内型頭蓋咽頭腫,奇形性嚢胞,Rathke嚢胞,梗塞巣,転移性悪性腫瘍など多くのものがあるが,稀に膿瘍の報告例をみる.しかし,抗生物質出現以前の敗血症に合併した剖検例が多く,それ以降でも蝶形骨洞炎に起因するものや,下垂体腫瘍に合併した例が多い.反面,近年盛んに行われるようになった経蝶形骨洞的下垂体手術の合併症として,下垂体膿瘍は,常に念頭におかなければならない疾患の1つである.われわれは,炎症症状とともに無月経・尿崩症をきたし術前CTにて原発性下垂体膿瘍と診断し得た1例と,鞍内型頭蓋咽頭腫の経蝶形骨洞的腫瘍摘出術後,腫瘍の再発と誤った下垂体膿瘍の1例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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