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症例
甲状腺機能低下症に随伴したTSH-PRL産生Microadenomaの1再発例
著者: 栗坂昌宏1 武井義雄2
所属機関: 1高知医科大学脳神経外科 2エモリー大学神経病理 3エモリー大学脳神経外科
ページ範囲:P.1569 - P.1575
文献購入ページに移動thyroid stimulating hormone(TSH)-prolactin(PRL)産生腫瘍の発生頻度は極めて少なく,今までに13例が報告されているにすぎない5,9,11,12,15,18,20,23,26,28,30).その多くは甲状腺機能亢進症やmultiple endocrine ade—nomatosis(MEA)に随伴するものであり14,17,19,22,27),これを除いたTSH-PRL産生腫瘍は極めて稀で,このような腫瘍の組織—免疫組織化学的検討はいまだ十分に行われていない.また,TSH産生腫瘍は時々hyperpro—lactinemiaを合併することがあり,今日までにHornら(1976)11),Baylis(1976)3)およびDuelloら(1977)6),Khalilら(1981)15)によって報告されているが,このうち免疫組織化学的検索を行っているのはHorn(螢光抗体法)11)とDuello(酵素抗体法)6)およびKhalil(酵素抗体法)ら15)である.さらに電顕的観察まで行っている報告は極めて少ない現状である15).われわれは,甲状腺機能低下症に合併したTSH-PRL産生Inircoade—nomaの再発例を経験し,その組織所見を光顕,電顕および免疫組織化学的に検索し,腫瘍の発現機序についても検討したので報告する.
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