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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻2号

1986年02月発行

文献概要

研究

人工補填材料を用いたOsteoplastic laminectomy

著者: 小山素麿1 岩崎孝一1 渡辺一良2 半田譲二2

所属機関: 1大津市民病院脳・神経外科 2滋賀医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.151 - P.159

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I.はじめに
 頸椎軟性椎間板ヘルニア(soft disc)や硬性椎間板ヘルニア(hard disc)(骨軟骨症)に対し,それが1-2椎間に限られておれば,椎間板や骨棘を除去し椎体を前方から固定するのが今日最も広く行われている外科的療法である.しかし脊椎管の狭窄がある患者に前方到達法を選択する場合は,GaleraとTovi6),GuldettiとFortuna7)Phillips18)などが警告しているように,手術合併症は決して少なくない.したがって,頸部脊椎管狭窄症ではStratford22),Epsteinら4)などのように,後方から到達し広範椎弓切除術を多椎体にわたり行うことが一般化した.しかしこの術式では脊椎の後方要素がすべて除去されてしまうため,構築的に頸椎の支持力が減弱し,スワンネックという厄介な問題を残すこともあり,いったん除圧された硬膜が瘢痕組織により再び絞扼される危険もある.欧米では脳神経外科医により進められてきたこの種の研究は,わが国ではもっぱら整形外科医により受けつがれ,桐田ら14)の後縦靭帯骨化症に対する後方除圧に始まる一連の研究に発展した.おもな変法をあげると河合法13),小山法15),服部法10),Tsuji24)や平林ら11)の片開式脊椎管拡大術がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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