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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻2号

1986年02月発行

文献概要

研究

脳動静脈奇形に対するバルーン・カテーテルによる術中一時遮断の有用性—脳保護物質(仙台カクテル)を併用して

著者: 高橋明1 鈴木二郎1 菅原孝行1 吉本高志1

所属機関: 1東北大学脳研脳神経外科

ページ範囲:P.179 - P.187

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I.はじめに
 脳動静脈奇形(AVM)の治療は現在のところ手術的全摘出が理想である.しかし,天幕下のものや巨大AVMではその根治術は困難を極め,手術不能と判断されたり,他の姑息的治療法を選択せざるをえない場合も多い.われわれは以前よりAVMの摘出にあたっては,血流遮断時間を延長させるために20%マニトール投与下に導入血管を確保し,これを一時遮断したうえで,安全確実に摘出すべきことを主張してきた12).しかし後頭蓋窩あるいは多系統の流入動脈をもつAVMでは,手術そのものが困難となることも少なからず経験してきた.最近われわれはこのような症例に対してmicroballoon catheterを用いて仙台カクテル14)(20%マニトール,dexameth—azone, vitamin E)投与下に術中導入動脈一時遮断を併用して良好な成績をあげている.今回は,この方法にて摘出術に成功した4例のAVMを紹介し,術中balloon occlusionの有用性について報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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