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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻2号

1986年02月発行

文献概要

症例

家族性脳動脈瘤の3家系—特に同胞例について

著者: 重森稔1 中山顕児2 大島勇紀1 中嶋修1 渡辺光夫1 倉本進賢1

所属機関: 1久留米大学脳神経外科 2社会保険田川病院脳神経外科

ページ範囲:P.189 - P.194

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I.はじめに
 家族性に脳動脈瘤が発生することは比較的稀である3,7,12).しかし,脳動脈瘤の家族発生は嚢状脳動脈瘤の発生原因として,先天的および何らかの遺伝的要因の関与を示唆する事実として以前から興味を持たれてきた4).そして,家族性脳動脈瘤ではその発生部位や発生年齢などにおいて,一般の脳動脈瘤とはかなり異なる特徴を有することが指摘されている1,3,7,12).さらに,家族性脳動脈瘤であっても,兄弟,姉妹例の場合にはさらに特異な特徴があることも知られている1)
 著者らは1982年,比較的稀な脳血管奇形を合併した脳動脈瘤を有する1姉妹例につき報告した13).その後さらに1姉妹,1母子例の計4例の家族性脳動脈瘤を経験した.そこで今回はこれら6症例をまとめ報告するとともに,とくに兄弟,姉妹など同胞例の特徴を中心に若干の文献的考察を行ったので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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