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研究
大後頭孔腫瘍—診断と手術アプローチ
著者: 徳田耕一1 阿部弘1 岩崎喜信1 蝶野吉美1
所属機関: 1北海道大学脳神経外科
ページ範囲:P.271 - P.276
文献購入ページに移動大後頭孔腫瘍はAbrahamsonとGrossman2)が最初に報告して以来,現在まで多数の症例報告がなされているが,この部位の腫瘍は多彩な臨床症状を示し,いわゆる"foramen magnum syndrome"を呈することが知られている.この症状は一般に進行性であるが,稀ながら症状軽快が起こることがあり.神経症,変形性頸椎症,多発性硬化症などと誤診され,かなり病期が進行するまで適切な治療を受けない場合がある.Love19)らによれば,大後頭孔腫瘍のうち約30%は良性,髄外腫瘍であり,全摘出が可能であり,早期診断,治療が予後の向上に重要であると考えられる.従来の同部腫瘍の文献的報告は髄外腫瘍に限定されたものが多く5,8,9,15,24,26,28),髄内腫瘍との対比で論じた報告は少ない12).
今回,著者らが経験した大後頭孔腫瘍7例の臨床症状について検討し,診断学的考察を加え,さらに手術アプローチに関して若干の検討を加え報告する.
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