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研究
エラスターゼの動脈瘤発生防止に関する実験的研究
著者: P.Natarajan12 佐野公俊1 小笠原美幸1 神野哲夫1
所属機関: 1藤田学園保健衛生大学脳神経外科 2現籍 Institute of Neurology, Government General Hospital
ページ範囲:P.301 - P.304
文献購入ページに移動近年,脳血管障害の死亡率は治療の進歩により本邦第2位に減少したが,その罹患率を考えると,いまだ本邦において,最重要疾患といわざるをえない.なかでも,脳動脈瘤の破裂は働き盛りの壮年者に多く,社会的にも重要である,また高血圧性脳出血の原因も脳の穿通枝に多発した微小動脈瘤の破裂によると考えられており,これら動脈瘤の発生を予防することは脳の出血性病変に対する最大の治療と思われる.
今回,エラスターゼが異常エラスチンの分解除去,新生弾力線維の合成促進作用を有する7,8,10)ことに着目し,実験的動脈瘤作製モデル1-6,9)を用いてエラスターゼが動脈瘤の発生予防に効果があるか否かの検討を行った.
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