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研究
皮下注射針使用による経皮的脳血管撮影法—DSAの特殊な利用法
著者: 尾崎高志13 青柳實1 保田晃宏1 太田富雄2
所属機関: 1春秋会城山病院脳神経外科 2大阪医科大学脳神経外科 3現籍 春秋会西大阪病院脳神経外科
ページ範囲:P.305 - P.309
文献購入ページに移動digital subtraction angiography (DSAと略す)装置が開発された当初,造影剤を静脈注射することにより脳血管撮影が可能であるという"痛くない脳血管撮影"の実現に,熱い期待がかけられた.しかし,造影剤の静脈注入によるDSA (IV-DSAと略す)は,全脳動脈系が一度に造影されること,大量の造影剤を必要とすること,さらに撮影された画像自身がconventional angiogra—phyに比べ劣っているという致命的欠点を有していることがわかってきた.現時点におけるDSAの使用は,Seldinger法により動脈内にカテーテル先端をおき,少量の造影剤を注入する撮影法(IA-DSAと略す)がむしろ一般的である.今回われわれは,従来行われてきた経皮的頸動脈直接穿刺法にDSA装置を使用し,極細の皮下注射針を使用し,極めて少量の造影剤を使用する頸動脈撮影法を開発したので報告する.
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