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研究
両側内頸動脈系狭窄症に対するone-stage両側STA-MCA吻合の試み
著者: 新島京1 半田肇1 米川泰弘1 滝和郎1 三宅英則1 小林映1 後藤泰伸1 森竹浩三1
所属機関: 1京都大学脳神経外科
ページ範囲:P.331 - P.337
文献購入ページに移動閉塞性脳血管障害に対する血行再建術の適応・管理・予後などについては議論が多い.特に内頸動脈系のmastoid-mandibular line (MML)より末梢部の狭窄ないし閉塞を両側性に有する症例に対する血行再建術に関しては意見の一致をみていない.この場合,血行再建術を行うとすれば,一般には,まず最初に臨床症状と対応する一側STA-MCA吻合を行うことが多い3,7,8,10-12,14,17,20,21),しかし,術後のfollow-up中に反対側の狭窄に起因する症状を現わす場合が少なくないことも事実である1,2,6,15).
京都大学脳神経外科学教室において過去3年間に,両側内頸動脈系に狭窄を認めた12例に対して,臨床症状の原因と考えられる側での一側STA-MCA吻合を行ったが,この12例のうち,術後2.5ヵ月から1年の間のfollow-up中に3例において反対側の脳虚血症状が出現した.これら3例と,症状発現はみなかったが初回吻合術前より両側内頸動脈の閉塞を認めていた1例の計4例に対して反対側のSTA-MCA吻合を追加した.
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