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症例
ノカルジア脳膿瘍とβ-ラクタムを中心とした抗生物質感受性—脳室穿破の1例を中心として
著者: 織田祥史1 上条純成1 姜裕1
所属機関: 1大津赤十字病院脳神経外科
ページ範囲:P.340 - P.344
文献購入ページに移動近年,日和見感染としての,弱毒菌,真菌類などによる感染症の発生増加が認められているが,なかでも放線菌類に属するNocadiaは,Eppingerによってヒトでの脳膿瘍起因菌として初めて報告4)されて以来,200例に及ぶ報告を見てきた11).
治療としては,古くよりサルファ剤が奏効するといわれ,ほとんどの症例で第一選択薬剤として用いられ,著効を奏してきた.しかし,最近サルファ剤無効のノカルジア感染症が報告され,また近年多くの抗生物質が開発され市販されて,予防的および治療的に使用される機会が多いことから,これらの薬剤とノカルジア感受性についても,再検討する必要が生じてきた.
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