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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻3号

1986年03月発行

文献概要

症例

脳・四肢に多発した家族性Cavernous angiomasの1例

著者: 福島武雄1 大川正幸1 朝長正道1

所属機関: 1福岡大学脳神経外科

ページ範囲:P.423 - P.428

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I.はじめに
 中枢神経系に発生する海綿状血管腫は比較的稀な血管奇形であるが,近年,神経放射線学的検査の進歩により,CTあるいは血管写上の特徴が明らかにされ1,5,20,21,23,25,29),出血,痙攣,進行性神経脱落症状などを呈するものとして重要視されてきた2,6-8,15,19).本血管奇形は頭蓋内多発例4,6,9,17,32,33),全身皮膚および諸臓器に多発例5,6,14,17,22,31),他の血管奇形との合併例17,27,31)などがあり,系統的な血管奇形としての要素が強い.また稀ではあるが家族発生例の報告もある3,4,6,14,18,31).われわれは19歳,女性で,脳実質内および四肢に多発性海綿状血管腫があり,母方家系および同胞6人に同様皮下腫瘤を認めた症例を経験した.家族内発生は稀であり,その発生病理を考える上で重要と思われるので,文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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