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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻3号

1986年03月発行

文献概要

症例

先天性聾・若年性糖尿病・網膜血管腫を合併した多発性小脳血管芽腫の1例—遺伝性疾患としての合併症の検討

著者: 松田一巳1 朝倉哲彦1 中山正基1 寺田耕作1 前田美樹1 浜田博文1

所属機関: 1鹿児島大学脳神経外科

ページ範囲:P.459 - P.464

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I.はじめに
 小脳血管芽腫(Lindau病)は,従来より遺伝的素因の強い疾患として報告されてきたが,同時に,網膜血管腫(Hippel病),膵臓・腎臓の嚢胞などの他,脳動脈瘤など他の疾患を合併しやすいこともその特徴とされている.一方,良性腫瘍である本疾患の予後を左右する問題の一つに,約10%に認められる多発性血管芽腫の存在がある.血族結婚の家系にあって,先天性聾,若年性糖尿病に罹患し,さらに網膜血管腫を合併した多発性小脳血管芽腫の1例をわれわれは経験し,開頭術にて良好な成績が得られたので,本症例の上記合併症を遺伝性疾患という観点から考察し,さらに本疾患の多発性の問題について検討を加えたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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