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免疫組織化学:超微形態よりみた下垂体腺腫の分類
著者: 堀智勝1
所属機関: 1鳥取大学脳神経外科
ページ範囲:P.479 - P.490
文献購入ページに移動 下垂体腺腫の病理組織分類36)は免疫組織化学の発達に伴い,腺腫細胞が分泌するホルモンによる分類がもっぱら用いられるようになった83).文献を渉猟して筆者がまとめた腺腫分類をTable 1に示す.最近ではendor—Phin87)や糖蛋白ホルモンα subunit40,41,50),βsubunitなどの特異抗体の作製に伴いTable 1よりもさらに細かい分類がなされようとしている78).
しかし,ヒトホルモンの通常使用されている抗体を利用した免疫組織化学による下垂体腺腫の分類は,腺腫が通常の下垂体ホルモンと同一のホルモンを分泌するという前提のもとに成立するが,たとえばGH腺腫のim—munoassayに使用されている22K型のホルモン抗体では生物活性の強いcleaved型や免疫活性の弱い20K型のホルモンの検出はされないなどの欠点がある5).実際に腺腫細胞が通常の下垂体ホルモンを分泌している事実は周知のことであるが,一方,通常とは異なるプロホルモン21,49,57,60,74)や糖鎖の結合したホルモン76,77)を腺腫細胞が培養液や血中に分泌している事実も認識されはじめている.
しかし,ヒトホルモンの通常使用されている抗体を利用した免疫組織化学による下垂体腺腫の分類は,腺腫が通常の下垂体ホルモンと同一のホルモンを分泌するという前提のもとに成立するが,たとえばGH腺腫のim—munoassayに使用されている22K型のホルモン抗体では生物活性の強いcleaved型や免疫活性の弱い20K型のホルモンの検出はされないなどの欠点がある5).実際に腺腫細胞が通常の下垂体ホルモンを分泌している事実は周知のことであるが,一方,通常とは異なるプロホルモン21,49,57,60,74)や糖鎖の結合したホルモン76,77)を腺腫細胞が培養液や血中に分泌している事実も認識されはじめている.
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