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研究
脳神経減圧術時における術中ABR,第VIII脳神経活動電位の記録の有用性
著者: 西原毅1 花北順哉1 絹田祐司1 近藤明悳2 山本義介3 中谷英幸4
所属機関: 1静岡県立総合病院脳神経外科 2北野病院脳神経外科 3松阪中央総合病院脳神経外科 4京都大学脳神経外科
ページ範囲:P.509 - P.518
文献購入ページに移動術中聴性脳幹誘発電位(audlitory brain stem evokedresponse,以下ABR)記録は,後頭蓋窩,特に小脳橋角部の手術において脳幹部機能や聴神経機能のモニターとして用いられている.われわれは顔面痙攣(hemifacialspasm),三叉神経痛(trigeminal neuralgia)などに対する根治的治療法としての脳神経減圧術時に,その最も重要な合併症の1つである聴力障害を予防するために術中ABRモニターを試みた,さらにこれに加えて同時にMoller11),Spireら13)の方法を用いて術中頭蓋内聴神経より直接聴神経活動電位(VIIIth cranial nerve compoundaction potential,以下VIII-AP)を連続的に記録した.そしてこれらの記録から,神経に損傷が加われば神経の伝導速度が低下するという仮設を基にABRおよびVIII-APのlatencyの延長度,波形の変化などを指標として神経損傷部位を明確にし,脳神経減圧術後の聴力障害の発生機序および予防法について検討した.
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