icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻4号

1986年03月発行

文献概要

症例

内頸動脈海綿静脈洞瘻に対するOccluding spring embolusによる新しい治療法

著者: 衣笠和孜1 鈴木健二1 西本詮1

所属機関: 1岡山大学脳神経外科

ページ範囲:P.529 - P.534

文献購入ページに移動
I.はじめに
 内頸動脈海綿静脈洞瘻(carotid-cavernous fistula,CCFと略す)は外傷に起因するものと,誘因なく発生する特発性のものとに区別されている,外傷性CCFに対しては多くの治療法が報告されているが1,3,6,11,12)の,各種detachable ballonの普及に伴い,内頸動脈を温存し,瘻のみを閉塞しうるという点では,ballonによる瘻孔閉塞が現時点では最も理想に近い治療法として定着した感がある2)
 一方,特発性CCFは,外頸動脈系の硬膜枝のembo-lizationで完全な治癒が期待できない場合に,直達手術によって静脈洞壁の硬膜を開放し,筋肉片のparckingや硬膜穿刺によるglue injectionなどが行われているが,現在最も普及しているのはelectrothrombosisによる治療法であると思われる4,5,10,13,15).今回,開頭により静脈洞内にoccluding spring embolus (OSE)を挿入し,より簡便に海綿静脈洞閉塞をえた症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?