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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻4号

1986年03月発行

文献概要

症例

非機能惟腺腫として再発した成長ホルモン産生腺腫の1例

著者: 寺本明1 塩川芳昭1 野口信1 花村哲1 真柳佳昭1

所属機関: 1東京警察病院脳神経外科

ページ範囲:P.563 - P.568

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I.はじめに
 成長ホルモン(以下GHと略)産生下垂体腺腫に対して放射線療法は有効な治療法であるとされてきた.本腫瘍を手術し,術後に残存腫瘍がみられたり血中GH値の正常化が得られない場合,放射線照射の適応となる.照射後半年から1年で血中GH値は漸減傾向を示し,正常値に至る場合も少なくない.一般に放射線療法による血中GH値の正常化は,治療後1年で40-50%9,16,17),2年で75-80%8,10,16)と報告されている.
 一方,下垂体腺腫の術後の再発率は,放射線照射なしの場合20-30%11,15,19),照射した例では3-15%4,6,7,12,15,19)である.再発の頻度は,症例の内容,治療法,観察期間,再発の判定などによって大きく左右されるものの,GH産生腺腫に関してもおよそ同じ成績であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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