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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻5号

1986年04月発行

文献概要

症例

特有な石灰化病巣を示した脳肺吸虫症の1例

著者: 木下和夫1 古賀知章2

所属機関: 1宮崎医科大学脳神経外科 2古賀外科病院

ページ範囲:P.669 - P.672

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I.はじめに
 わが国において脳内に迷入する寄生虫症は稀であるが,脳肺吸虫症が最も多く約400例が報告されている.脳肺吸虫症例は韓国よりの報告が最も多く2, 5, 6, 12),欧米諸国では脳嚢虫症,脳包虫症の報告が多いことは周知のことである.最近北海道では肝包虫症が多数報告され,わが国の人々の海外渡航も年間数百万大にのぼり,また国内の人の動きも大きい現在では,脳内寄生虫症の正確な理解は神経病を専攻する者にとって大切なことである.著者らは脳寄生虫症に注意を喚起してきたが7,15),最近,本誌で脳肺吸虫症と思われる症例が日本住血虫症と報告されている例8)があったので,類似症例を呈示し,脳肺吸虫症の頭蓋内石灰化病巣の特徴を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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