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症例
Primary empty sellaの外科的治療について
著者: 石倉彰1 立花修1 宮森正郎1
所属機関: 1国立金沢病院脳神経外科
ページ範囲:P.693 - P.698
文献購入ページに移動1951年Buschは1),788例の剖検例から,その5.5%にあたる40例(うち女性が34例)にトルコ鞍隔膜が完全または不完全に欠如し,トルコ鞍が空洞化しているのを見いだし,Empty Sella(E.S.)と命名した.その後,1969年Weissらは2),E.S.をPrimary Empty Sella(P.E.S.)とSecondary Empty Sella(S.E.S.)に分類し,P.E.S.はトルコ鞍隔膜の先天的形成不全によるくも膜下腟の鞍内伸展状態で,S.E.S.は下垂体腫瘍の術後や放射線療法後に発生するE.S.とした.以来,今日までE.S.に関して多数の報告がなされているが,E.S.の外科的治療については,髄液鼻漏,視力・視野障害,下垂体腺腫を伴う場合に限られてきた傾向がある3,4).このたびわれわれは,内科的治療で軽快しない頑固な頭痛を示すP.E.S.に対し,経蝶形骨洞法にて鞍内充填と鞍底補綴を行い,良好な結果を得たので,文献的考察を加え報告する.
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