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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻6号

1986年05月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

側頭葉てんかんの手術—顕微鏡手術手技を用いた側頭葉切除術

著者: 真柳佳昭1

所属機関: 1東京警察病院脳神経外科

ページ範囲:P.715 - P.722

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I.はじめに
 側頭葉てんかんに対する側頭葉切除術telnporal lo—bectomyは,すでに確立した手術法である.Penfieldによる最初の手術は1928年に行われたが,その後の10年間で少しずつ手法が改良されてほぼ一定の水準に達し,1939-49年の10年間には68例が同じ方法で手術されたと記されている14).その方法は1952,1954年の論文に詳しく記されて,今日の側頭葉切除術の基礎となっている15,16).この時期は,ちょうど近代てんかん学の中に,側頭葉てんかんという概念が確立してくる時期と一致している.すなわち,H.Jackson8)により"dreamy stateseizure"あるいは"mental automatism"と記載され,Gibbsら7)により精神運動発作psychomotor seizureと総称された特異な発作型と側頭葉との関連が脳波学的にも6),また病理学的にも18)次第に明らかにされて,側頭葉てんかんとしてまとめられてきたが,側頭葉切除術の成功はその理論の正しさを証明することとなったのである.その後,現在にいたるまで,側頭葉切除術は最も信頼性の高いてんかん手術として広く認められており,手術方法の記載も多いのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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