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研究
High-flow AVMの手術—Normal perfusion pressure breakthrough現象との関連について
著者: 山田和雄1 早川徹1 吉峰俊樹1 中尾和民1 生塩之敬1 最上平太郎1
所属機関: 1大阪大学脳神経外科
ページ範囲:P.741 - P.748
文献購入ページに移動脳動静脈奇形(AVM)の手術に際しては,従来feederやdrainerの処理およびnidusの摘出に伴う技術的困難性などが主に問題とされてきた.しかし最近,AVMのうちsteal現象を伴い,shunt量の多いものは,high-flow AVMとして,特に摘出時のhemodynamicsの変化の面から注目されつつある.すなわち,これらのAVMの摘出に際しては,いわゆるnormal per—fusion pressure breakthrough syndrome9)やproximal hyperemia7)などの現象が起こることがあり,術前にこれらの現象を予測するとともに,術中,術後にこれらの現象が起こった際には適切な対策を行うことが必要と報告されている1,7-10).
われわれの施設では最近2年間に14例のhigh-flowAVMを経験し,このうち9例に摘出術を行ったが,その際,2例に術後normal perfusion pressure break—throughによると思われる症状を経験した.そこでこれらhigh-flow AVMの摘出に伴う血行動態上の変化を脳血管撮影所見と術中脳表血流測定を中心に検討し,この現象に対する対策を試みたので,われわれの経験を述べる.
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