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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻6号

1986年05月発行

文献概要

症例

両側内頸動脈欠損症の1例

著者: 角南典生1 国塩勝三1 山本祐司1 須賀正和2 浅利正二2

所属機関: 1松山市民病院脳神経外科 2岡山大学脳神経外科

ページ範囲:P.809 - P.814

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I.緒言
 内頸動脈の欠損の報告は比較的稀で,現在までに一側欠損51例,両側欠損10例の報告があるに過ぎない.本症は胎生6週頃の発生異常とされており,側副血行が十分に形成されることから,症状が発現する機会が少ないと思われる.しかし脳循環障害やくも膜下出血をきたす症例もあり,脳循環動態の面から興味ある病態であろう.
 われわれは,右不全片麻痺で発症した76歳の男性に脳血管CTを行い,慢性硬膜下血腫の診断を得たが,その際,両側の内頸動脈が不明瞭であった.この症例に血管撮影,CTを施行することにより,両側内頸動脈欠損症と判明したので,考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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