文献詳細
文献概要
症例
両側内頸動脈欠損症の1例
著者: 角南典生1 国塩勝三1 山本祐司1 須賀正和2 浅利正二2
所属機関: 1松山市民病院脳神経外科 2岡山大学脳神経外科
ページ範囲:P.809 - P.814
文献購入ページに移動内頸動脈の欠損の報告は比較的稀で,現在までに一側欠損51例,両側欠損10例の報告があるに過ぎない.本症は胎生6週頃の発生異常とされており,側副血行が十分に形成されることから,症状が発現する機会が少ないと思われる.しかし脳循環障害やくも膜下出血をきたす症例もあり,脳循環動態の面から興味ある病態であろう.
われわれは,右不全片麻痺で発症した76歳の男性に脳血管CTを行い,慢性硬膜下血腫の診断を得たが,その際,両側の内頸動脈が不明瞭であった.この症例に血管撮影,CTを施行することにより,両側内頸動脈欠損症と判明したので,考察を加えて報告する.
掲載誌情報