icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻7号

1986年06月発行

文献概要

症例

Conloined lumbosacral nerve roots— Metrizamide myelographyおよびMetrizamide CTによる画像診断

著者: 京嶌和光12 西浦巌1 小山素麿1

所属機関: 1大津市民病院脳・神経外科 2現籍 滋賀医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.865 - P.871

文献購入ページに移動
I.はじめに
 腰仙部神経根奇形には種々のものがあるが1-6),なかでも隣接した2本の神経根が硬膜嚢の同一部位より起始する奇形,すなわち"conjoined roots"が最もよく知られている4,7-11).この奇形は,それ自体では無症状であるが,椎間板ヘルニアやlateral recessus stenosis8,13)で発症した場合には,同時に複数の神経根症状,いわゆる"biradicular syndrome"を呈するため,責任部位の同定が難しくなり,術前これを見過ごすと,不要な椎間板の切除を行ったり,神経根を損傷する危険性がある.したがって腰仙部の根性痛の診断や手術に際し,この奇形の存在を常に念頭に置かねばならない.
 脊髄撮影に油性造影剤を用いていた時代では,その術前診断は極めて困難であったが,水溶性造影剤(metri—zamide)の登場により12)今日では比較的正確に診断できるようになり,これを扱った欧米の文献8-11)が散見されるようになった.そこで,この奇形に対する注意を喚起する目的も含め,われわれの経験した典型例を提示し,診断上の注意点につき若干の考察を加える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?