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研究
悪性脳腫瘍に対する温熱療法の基礎的研究—加温装置の開発および正常イヌ脳に対する加温効果の検討
著者: 松本健五1
所属機関: 1岡山大学脳神経外科 2カリフォルニア大学サンフランシスコ校,脳神経外科,脳腫瘍リサーチセンター
ページ範囲:P.965 - P.972
文献購入ページに移動現在,悪性腫瘍に対する新しい治療法として,温熱療法(hyperthermia)が再び注目されている.温熱療法は,古くて新しい治療といわれている.その抗腫瘍効果は古くから知られていたが,主として経験的なものであった2, 3).しかし,最近10年間に集中的に蓄積されたinvitro,in vivoの実験結果から,温熱の抗腫瘍効果,さらに放射線あるいは化学療法との併用効果が明らかとなった5, 6, 9, 21).また臨床的には皮ふ癌,頭頸部癌などの表在性腫瘍に試みられ,良好な成績をあげている11, 13).しかし,深部唾瘍に対しては,いまだその加温および温度測定法がその困難性から確立されるに至っておらず,その技術向上に今後の発展がかかっているといえる21).そこでわれわれは,悪性脳腫瘍に対する補助療法の1つとして,臨床にこの温熱療法を応用する目的で,今回Interstitial Microwave Hyperthermia Systemを開発し,その脳加温能力,温熱の正常脳組織に及ぼす影響,さらに臨床応用の可能性を検討した.
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