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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻8号

1986年07月発行

文献概要

症例

Holocord cystを伴う脊髄終糸のMyxopapillary ependymomaの1例

著者: 田中秀樹13 清水弘之1 石島武一1 中村安秀2

所属機関: 1東京都立神経病院脳神経外科 2東京都立神経病院神経小児科 3現籍 東京都立駒込病院脳神経外科

ページ範囲:P.997 - P.1003

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I.はじめに
 脊髄全長にわたり実質内発育を示す腫瘍は特にholo—cord tumorと呼ばれ,大部分は小児期に遭遇する疾患である.holocord tumorは,その発育が緩慢で,特異な神経症状を呈することがあり,脳性小児麻痺や神経症などと誤診される場合が少なくない.本症は,その頻度は比較的稀とはいえ,診断・治療においてさまざまな問題点を有しており,小児脊髄疾患の診断において常に念頭においておくべきものの1つと考えられる.
 われわれは,脊髄終糸に発生したmyxopapillary epen—dymomaで,脊髄円錐部より延髄にまで達する嚢腫を形成している症例を経験したが,嚢腫の内減圧,腫瘍実質部の全摘出により臨床症状の著しい改善をもたらすことができた.本症例および過去の報告例をもとにholo—cord tumorの臨床症状の特徴,診断・治療上の問題点につきまとめたので,若干の考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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