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研究
破裂脳動脈瘤患者における局所脳血流—動脈瘤の部位と局所脳血流との関連について
著者: 山上岩男12 礒部勝見1 小野純一1 須田純夫1 岡陽一1 丹野裕和1 山浦晶2 砂田荘一2
所属機関: 1君津中央病院脳神経外科 2千葉大学脳神経外科
ページ範囲:P.1079 - P.1084
文献購入ページに移動脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血(SAH)に続発する脳血管攣縮は患者の予後を左右する重要な因子であり,その病態に関して現在まで多くの報告がある.SAH患者における脳血管撮影と133Xe動注および吸入法などによる局所脳血流(rCBF)測定を用いた検討により,多くの報告は脳血管攣縮と脳血流減少との相関を指摘し,強度の脳血管攣縮により脳血流が減少し,さらには脳虚血による神経症状の悪化をきたすと述べている12,17,18).一方,破裂脳動脈瘤の部位と脳血管写上の脳血管攣縮の分布との間にも相関がみられ,脳血管攣縮は破裂脳動脈瘤の近傍に最も強く出現すると報告している11,14).今回われわれは破裂脳動脈瘤患者57例において133Xe吸入法によるrCBF測定を施行し,破裂脳動脈瘤の部位とrCBFとの相関について検討したので報告する.
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