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症例
MRI(磁気共鳴画像診断)およびBlink reflexの経時的検索が行われた延髄外側部梗塞の1例
著者: 河村弘庸1 天野恵市1 谷川達也1 川畠弘子1 久保長生1 喜多村孝一1 小野由子2
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科 2東京女子医科大学脳神経センター神経放射線科
ページ範囲:P.1113 - P.1119
文献購入ページに移動三叉神経脊髄路が下行する延髄外側部の障害では三叉神経第1枝の電気刺激により誘発されるblink reflex(以下BRと略す)のlate reflex(R2)が消失あるいは潜時延長を呈することが報告されている5-10,12,13).一般に,この部位の障害ではしばしばWallenberg症候群に代表される特異な神経症状を呈することから,障害部位の神経学的診断は容易である.しかしながら,延髄外側部梗塞(lateral medullary infarcion,以下LMIと略す)の的確な形態学的検索は従来のX線CTによる画像診断法を用いても困難な場合が少なくない.したがって,病巣の局在,形態学的変化とBRの変化との比較検討は病理解剖が行われない限り不可能であった.
今回,著者らはMRI(磁気共鳴画像診断)によりはじめてLMIの経時的変化を把握した得た症例を経験し,MRIの経時的変化とBRの推移とを検討したので報告する.
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