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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科14巻9号

1986年08月発行

文献概要

症例

放射線照射後に消失した特発性頸動脈海綿静脈洞瘻の1例

著者: 伊東民雄1 末松克美2 中村順一1 堀田隆史1 鎌田一1 下道正幸1

所属機関: 1中村記念病院脳神経外科 2中村記念病院脳神経疾患研究所

ページ範囲:P.1135 - P.1139

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I.はじめに
 特発性頸動脈海綿静脈洞瘻(以下,頸動脈海綿静脈洞瘻をCCFと略す)は,海綿静脈洞部内頸動脈瘤の破裂による特殊な例を除けば,ほとんどの症例が内頸および外頸動脈の硬膜枝と海綿静脈洞部の硬膜静脈との短絡により生じた硬膜動静脈奇形である13).特発性CCFは外傷性CCFとは異なり,通常臨床症状は軽微であり,しかも進行性に悪化することは少なく,脳血管写や頸動脈圧迫など何らかの原因で軽快,消失する例のあることや4,6,7,9,11,18)手術が困難なこと18)などの理由から保存的に治療されることが多い.しかし症状が進行性に悪化する症例や重篤な症例に対しては保存的治療のみでは不充分で何らかの処置が必要となるが,今までのところ有効な方法はなく,種々の治療法が試みられている.
 著者らは最近,低血圧療法やMatasの手技などの保存的治療を試みたにもかかわらず症状が悪化していったため放射線照射を行ったところCCFが消失した症例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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