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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科15巻1号

1987年01月発行

文献概要

研究

HPLCによる髄液中クレアチニンならびにプリン代謝物の測定—脳組織障害における変動(第1報)

著者: 森本一良1 正名好之1 橋本忠雄2 早川徹1 池田卓也1 最上平太郎1

所属機関: 1大阪大学脳神経外科 2大阪大学分子生理化学

ページ範囲:P.25 - P.30

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I.はじめに
 CTスキャン導入以来,脳組織障害の形態学的な把握は容易となったが,その機能的な面を評価する手段が待たれて久しい.私たちは従来よりHPLC(HighPerformance Liquid Chromatography)を用いて脳内の生化学的なエネルギー代謝物の動態を追求してきた.正常脳ではATP,ADP,AMPが各々3.39,1.04,0.01nmol/mg wet weight存在し,虚血時にはATPが減少し,ADP,AMPが増加する.また虚血によりadenosine,inosine,hypoxan—thineが著明に上昇し,プリン代謝物は尿酸まで分解されていくことを観察している11,13),今回はクレアチン燐酸(creatine phosphate=CrP)ならびにプリン化合物の終末代謝産物であるクレアチニンと尿酸に注目し,髄液中の両者の変動を観察した.その結果,これら代謝産物が脳組織障害時の機能的な評価ならびに予後の指標となりえる興味ある知見を得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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