文献詳細
症例
文献概要
I.はじめに
先天的な内頸動脈欠損症は非常に稀な疾患であるが,脳血管撮影を施行する症例が増えるに伴い,報告例も増加してきている.しかしその診断は,後天的な内頸動脈閉塞症との鑑別がしばしば困難であり,血管撮影のみで診断するには問題がある.また内頸動脈の先天的な欠損という状態は,脳血管の血流動態学的にもまた発生学的にも興味あるものと思われる.著者らは,頭蓋底部の断層撮影にて左頸動脈管の欠損を確認した内頸動脈部分欠損症を経験したので,以上の問題につき若干の考察を加え報告する.
先天的な内頸動脈欠損症は非常に稀な疾患であるが,脳血管撮影を施行する症例が増えるに伴い,報告例も増加してきている.しかしその診断は,後天的な内頸動脈閉塞症との鑑別がしばしば困難であり,血管撮影のみで診断するには問題がある.また内頸動脈の先天的な欠損という状態は,脳血管の血流動態学的にもまた発生学的にも興味あるものと思われる.著者らは,頭蓋底部の断層撮影にて左頸動脈管の欠損を確認した内頸動脈部分欠損症を経験したので,以上の問題につき若干の考察を加え報告する.
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