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症例
Electrothrombosis後くも膜下出血発作をきたした巨大内頸動脈瘤の1症例
著者: 藤田勝三1 近藤威1 松本悟1
所属機関: 1神戸大学脳神経外科
ページ範囲:P.75 - P.79
文献購入ページに移動脳動脈瘤の外科的治療法は,再出血を防止する日的で脳動脈瘤柄部におけるclippingが現在一般に行われているが,巨大動脈瘤の場合には動脈瘤柄部が広く,かつ流入動脈と柄部との剥離が困難であるために,clippingが不可能な症例がある.このような症例に対して,種々の治療法が試みられているが,なお満足すべき治療法が確立されていないのが現状である.われわれは,頸動脈—海綿状静脈洞に対しelectrothrolnbosisを行い満足すべき結果を得てきたので,この方法を用いて内頸動脈巨大動脈瘤に対して銅線の瘤内直達刺入による電気的凝固血栓法を試みたところ,動脈瘤は血栓形成により縮小したものの,術後2週間日に再出血発作を認め不幸な転帰となった1症例を経験したので,反省の意味をこめて本治療法の問題点につき考察を加えて報告する.
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