文献詳細
文献概要
症例
脊髄硬膜外膿瘍—5症例の経験から
著者: 辻直樹12 五十嵐正至1 小山素麿1
所属機関: 1大津市民病院脳・神経外科 2現籍 和歌山県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1079 - P.1085
文献購入ページに移動脊髄硬膜外膿瘍は,すでに16世紀後半Morgagniによって記載されたが21),初めて手術を行ったのはMacewen21)である.欧米では今日まで300余りの報告があるが,比較的稀な疾患で,Baker1)によれば入院患者10,000人に対して0.1-1.2人の頻度といわれている.しかし,わが国での報告は非常に稀で,われわれが調べたかぎり8例にすぎない6,7,14,15,18).
脊髄硬膜外膿瘍は背部痛で発症し,その後,神経根圧迫あるいは脊髄圧迫症状を示し,診断が遅れると,機能的予後が悪く,早期診断治療が強調されている疾患の1であるが4,9),実際には今日でも他の疾患と誤診されている例が少なくない5,8,13,17,20,22).
掲載誌情報