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症例
網膜芽細胞腫の放射線治療後に発生した中頭蓋窩腫瘍の2例
著者: 渋井壮一郎1 野村和弘1 松岡浩司1 金子明博2 中島孝3
所属機関: 1国立がんセンター脳神経外科 2国立がんセンター眼科 3国立がんセンター病理
ページ範囲:P.1087 - P.1091
文献購入ページに移動網膜芽細胞腫は二次発癌の多発する疾患のひとつとして知られている.Abramsonら1)によれば,700例余りの網膜芽細胞腫の患者のなかから90例以上の二次腫瘍が発生し,しかもその大半が放射線照射部位に一致して出現しているという.この事実は網膜芽細胞腫の発癌遺伝子の問題,および放射線による発癌作用の問題の両者と深い関係があり,極めて興味深い.
今回,われわれは網膜芽細胞腫の放射線照射部位に出現した中頭蓋窩腫瘍を2例経験したので,ここに報告する.なお,症例1は金子ら6)が既に報告したものと同一例である.
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