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症例
SLEにみられたレンズ核線条体動脈瘤の1例
著者: 木戸口順1 千葉明善1 村上寿治1 斉木巌1 金谷春之1 田沢稔2 田村昌士2
所属機関: 1岩手医科大学脳神経外科 2岩手医科大学第3内科
ページ範囲:P.1221 - P.1225
文献購入ページに移動全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythemato—sus,以下SLE)は,代表的な自己免疫疾患であり,病理組織学的には全身の血管炎であることが知られている.本疾患の25%に精神神経症状を,2.2%に意識消失を認め,中枢神経系の障害はSLEの主要症状の1つとなっている12).SLEの血管炎により,動脈は瘤様に拡張し,血管壁は脆弱となり,脳出血の原因となると述べられているが4,5),その臨床症状,放射線学的所見および病理学的所見との相互関係の詳細については報告が少ない.最近,われわれはSLE患者において結節性動脈周囲炎(periarteritis nodosa,以下PN)様の血管炎を呈し,脳内出血にて発症したレンズ核線条体動脈瘤破裂の1症例を経験したので報告する.
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