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患者とのCommunication
著者: 最上平太郎1
所属機関: 1大阪大学脳神経外科
ページ範囲:P.115 - P.115
文献購入ページに移動患者にはドイツ語が判らないつもりで"Krebs"なぞ決して言わないことである.何度も医師に受診した人など医師の使うドイツ語ぐらい判る人も少なくない.いわんや英語などはなおさらである.一般に患者や家族は非常に神経質になっているので些細なことでも過度の反応を示しやすく,ただ一度の失言で信用を失うことすらある.したがって患者や家族との対話は慎重を要するが,近年一般に医学常識も向上していると思われ,特定の事については医師よりよく知っている患者もある.ただ変に誤った常識をつけてもらうと厄介である.新聞や雑誌の切り抜きを示して,こんなことも知らないのかとばかり患者から一くさり講釈をきくことも時にある.近頃はCT検査を強要してきかない人が少なくなく,こんな方は自分で自分の病気を診断しており,医師の診察よりもむしろ器械の方を信用する傾向がある.
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