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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科15巻2号

1987年02月発行

文献概要

症例

眼窩,上顎洞へ浸潤したGlioblastomaの2症例

著者: 西村敏12 山下俊紀1 枚田一広1 村井かおる1 鈴木範行1

所属機関: 1神奈川県立足柄上病院脳神経外科 2現籍 神奈川県総合リハビリテーションセンター脳神経外科

ページ範囲:P.207 - P.211

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I.はじめに
 neuroectodermal tumorの頭蓋外転移は稀で,0.4%8)ともいわれている.転移部は主に肺,リンパ節,骨,肝で,術後の術創部よりの直接浸潤を除けば,腫瘍部より硬膜をこえて隣接する組織への破壊的浸潤を呈することすら,比較的稀である.
 われわれの施設にて,側頭葉悪性神経膠腫の眼窩,上顎への浸潤を2例経験した.1例は,腫瘍全摘出後15カ月を経て,眼窩,上顎への進展を認め,再手術を行ったが,腫瘍摘出腔(原発巣)には全く再発は認められず,隣接した眼窩,上顎部のみでの再発であった.他の1例は,同じ悪性神経膠腫で,原発巣の再発により眼窩内への直接浸潤を示した.2症例の転移経路を対比検討し,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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